HFRI指数の11月リターン速報値が発表されたので、このHFRIと毎週お伝えしているHFRXの月次リターン比較を行う。(HFRIHFRXの違いについては、こちら

201111_HFRIvsHFRX_table201111_HFRIvsHFRX_monthly
上記の表のように、
11月のリターンの差異は、全戦略を含んだヘッジファンド指数でみるとわずか0.1%であった。最もリターン差異が大きかったのはマクロ(システム運用)戦略の2%となった。同戦略の月次リターンがHFRI指数では▲0.5%となった一方で、HFRX指数は+1.4%とプラスを確保した。以前、「マクロ(システム運用)戦略は他戦略に比べてリターンの差異が出にくい戦略である」と書いたが、それとは矛盾する結果である。ではなぜ差異が2%出てしまったのか、その理由としては、以下の2つが考えられる。

    7、8、9月とプラスが続き、10月に大きくマイナスに反転、11月さらに反転したことで個別ファンドのモデルが対象とするトレンドの長さ(短期・中期・長期)の違いがパフォーマンスに差が出たため。つまり、中・長期トレンド型のファンドが10月の相場反転時にもポジションを維持したことで11月にプラスを上げた一方で、短期トレンド型ファンドが10月の相場反転時にポジションを手仕舞い、もしくは反対ポジションを取ってしまったために11月にフラットもしくはマイナスのパフォーマンスになってしまった。

    HFRI指数のマクロ(システム運用)戦略の組入れファンドが数百あるのに対し)HFRX指数の同戦略に組入れられているファンドが10以下で、かつ長期トレンド追従型が多いため、上記①の理由によりプラスとなったファンドが多かった(振り返って10月を見ると、HFRIが▲3.7%に対し、HFRXが▲4.8%となり、HFRXの方が1%損失が大きかったことと整合的な結果となっている)。

ちなみに、1011月の2ヶ月のリターンで比較するとHFRI4.2%、HFRX3.5%となり、差異は0.7%に縮まる結果となっている。

単月ベースでみると、差異は当然大きくなりうる。特に、トレンドの反転時にはそうである。しかし、年単位で見るとマクロ(システム運用)、ないしはマネージド・フューチャーズ戦略は他の戦略に比べてファンド間の相関が高く、リターン差が小さいというのは間違いない。たまに、パフォーマンスが顕著に異なるファンドがあるが、それはファンド自体にレバレッジがかかっているケースや、投資対象資産がコモディティやカレンシーに特化しているケースなど理由として挙げられる。

 

最後にHFRIHFRXの年間リターングラフは以下の通り。ヘッジファンド全体の指数では、HFRIが▲4%に対し、HFRXが▲8%と倍の開きが出ている。前月までと同様に株式ヘッジ戦略の違いが極めて大きい。
201111_HFRIvsHFRX_yearly